ーーートンカチについて教えてください

多くの人が自分の好きなものを見つけたいし、その好きなことを仕事にしたいんじゃないかなと思うんですけど、好きなことを仕事にするのって楽しいけれど決して楽ではないじゃないですか。好きなことを続けるためには嫌いなこともたくさんやらなきゃダメだったり、自分が本当に好きなものはなんなのか分からなくなったり、それでも突き進むしかなかったり。好きとしんどいって割と近いところにあると思うんです。トンカチはそういうものを体現したキャラクターなのかなと。



ーーー今回の見どころは?

史実という点ですかね。南極ゴジラが史実を扱うのは初めてなんですが、今作は1800年代に起こった恐竜史に残る大事件「化石戦争」をベースにしています。まぁ南極ゴジラ風に脚色しすぎて事実とはかなり異なりますが(笑)それでもやっぱり本当にあった出来事はふんだんに盛り込まれていて、登場人物も実際にいた人がほとんどです。
  史実っていいですよねー。遠い昔のことだけど、間違いなく僕らがいるこの世界に起こったことで、でも確定的な事実ってものは結構少ない。少ない事実を元に色んな人が色んな思いでめいいっぱい想像して、そこには少なからず好みが混ざってたりもする……。なんか化石発掘と似ているなとも思います。だからお客さんには、これも一つの史実として、僕らが生きているこの世界に本当に起こった事実として、楽しんでいただいても嬉しいなと思います。



ーーー本公演どうですか?

仕込みの様子を見てて、「本公演だなぁ」って思います。南極ゴジラは去年、3,4,5,6,7,8,10,11月というかなりのハイペースで作品を作ってきたのですが、やっぱりこれが本公演だなって。それは決して、思い入れとか力の入れ方が違うっていうことじゃないです。前回の本公演『贋作ジュラシックパーク』から南極ゴジラとしても、個々人でもみんな色んなことに挑戦して、その中で良かったことは取り入れて良くなかったことは取り去って、今の僕たちが思うベストを、ベストな人たちと作っているということが本公演だなぁって思うんです。